一般事務職の志望動機の例(検証編)

一般事務職の志望動機例文(検証編)

一般事務職の志望動機の書き方例を、例文を基に検証してみます。一般事務職はどこの企業でも必要とされる職種ですが、転職用・新卒用ともに、「なぜその企業に応募するのか」を明確に書く必要があります。一般事務職を未経験でも、同じ職種(事務職から事務職)の転職でも前職で役に立てることのできる内容をアピールします。

 

 

一般事務職の志望動機例文の検証(転職編1)

以下の志望動機は未経験の一般事務職に転職する場合の例文です。

(1)かねてより一般事務の仕事を希望しており(2)それに関連するスキルを身につけ(3)簿記や秘書技能に関する資格も取得してまいりました。また、(4)パソコンの活用においても通常の業務では全く問題のないレベルだと自負しております。
今般、(5)貴社の求人内容が私の希望と合致していたため、貴社について、HPをはじめ知人から聞き取るなど、詳しく調べました。その中で特に(6)社風についての評判が大変良いことに気づきました。事実、私が電話でお問合せした際の窓口での応対やその後何度かのやり取り、また仕事のご説明を受けた際の社員の方々と直に接する中で私自身も感じていることでした。
いつも明るく、お客様のために誠意を尽くして仕事をする貴社の皆様と一緒に、私もさらなる向上心を持って仕事に取り組んでいきたいと思い、貴社を志望いたしました。

 

(1)かねてより一般事務の仕事を希望しており
上記の志望動機例文では、一般事務職は未経験であることがうかがえます。未経験の職種に応募するときの志望動機は重要視されます。しかし、上記の志望動機例文では、一般事務職を志望する肝心な志望動機が書かれていません。「今、なぜ一般事務職を志望するのか?」をその経緯を交えて書くとよいでしょう。

 

 

(2)それに関連するスキルを身につけ
どのような関連スキルを身につけたのか具体的に書かなければ何を身につけたのか伝わりません。ただし「関連するスキル」が応募先の仕事内容に関連していることでないと書く意味がありません。

 

 

(3)パソコンの活用においても通常の業務では全く問題のないレベル
パソコンスキルが「通常の業務では全く問題のないレベル」と書かれていますが、「通常の業務」がどのくらいのレベルを指しているのかあいまいです。また、求められるレベルも企業によって異なります。「貴社で必要とされるパソコンスキルは習得済みです」など応募先の企業で問題ないことを伝える必要があります。

 

 

(4)簿記や秘書技能に関する資格も取得してまいりました
「かねてより一般事務の仕事を希望」してしたことを裏付ける行動として、「簿記や秘書技能に関する資格」を取得したことは志望動機として説得力があります。「秘書技能に関する資格」と書かれていますが、「秘書技能検定」など資格名を具体的に書いた方が良いでしょう。また、資格やスキルをアピールしたい場合、応募先の仕事にそれらが活かせるときだけ書く意味があります。応募先の仕事と全く関係ないならば書くべきではありません。

 

 

(5)貴社の求人内容が私の希望と合致していたため
一般事務の求人内容のどこが「私の希望」と一致しているのかを具体的に書かないと、「この人はこの会社で一体何をしたいのか?」が採用側に何も伝わりません。志望動機では応募先で何を実現したいのかを具体的に書く必要があります。

 

 

(6)社風についての評判が大変良いことに気づきました
「社風」は志望動機としてよく使われるキーワードです。「社風」とは、社内の雰囲気、価値観、人間関係など企業が持っている独特で特徴的なものを指します。事実、社風は気持ちよく働いていくうえで重要なポイントではありますが、社風を志望理由とするのはリスクがあります。志望動機として社風の良さを書かれても、本当に社風が応募者にとって合うかどうかは、実際に入社してみないとわからないものです。上記の志望動機例文では、社風を志望動機のメインとして書かれていますが、身につけたスキルや取得したスキルを応募先でどのように活かして貢献していくのかを詳細に書くべきです。

総評

スキルのアピールや一般事務を志望する上での取り組みは評価できるものの、一般事務を志望する動機や応募する理由が全体的にぼやけている印象は否めません。応募動機として"社風の良い会社で、そこの社員と一緒に仕事をしていきたい"というのが強いように感じます。働きやすさは応募する側としては大切な要素ですが、そこを志望動機としてメインに伝えても採用側には響きません。自分にとってのメリットを伝えているだけだからです。それだけではなく、採用側から見ても応募者を採用することでメリットを感じさせるように志望動機を書く必要があります。

 

一般事務職の志望動機例文の検証(転職編2)

以下の一般事務の志望動機は、一般事務職の実務経験があり、転職して再び一般事務職に応募する場合の例文です。

私はこれまでに事務職としての職務経験が5年あり、さまざまなスキルを身に付けてきました。(1)たとえば、丁寧に仕事を行えることです。書類作成時には誤字脱字などが生じないように、セルフチェックをしてから決裁に上げるように心がけております。また、取引先からの電話応対や来客時の対応スキルも身に付けて参りました。(2)ハキハキとした口調で解りやすく話し、明るく柔らかい印象を与えるようにしています
(3)これらの能力を活かし、貴社では事務職員として役立てるよう努力していきたいと考えています。また、貴社での仕事を通じて会計の知識や表計算ソフトの技術を磨き、(4)スキルアップしてゆくことを目標といたします。貴社では(5)他社にはない人事評価制度があり、モチベーションを維持しながら(6)前向きに頑張れると考えています

 

(1)たとえば、丁寧に仕事を行えることです
「丁寧に仕事を行えること」はスキルではありません。仕事をする上では当然のことです。もちろん、一般事務は丁寧さが求められますが、志望動機に書くよりも、自己PRに書くべき内容です。

 

(2)ハキハキとした口調で解りやすく話し、明るく柔らかい印象を与えるようにしています
主観的な評価が書かれていますが、客観的評価を書いた方が説得力があります。例えば、「社内で表彰された」、「上司から高く評価されていた」、「クライアントから褒められた」などの第三者による客観的評価を書くとよいでしょう。

 

(3)これらの能力を活かし、貴社では事務職員として役立てるよう努力していきたい
転職は即戦力が求められます。上記の志望動機例文では、事務職の「職務経験が5年」と書かれているとおり、一般事務職の経験は十分に積んでいます。「これらの能力」とは志望動機例文から、書類作成、電話対応、来客対応のスキルを身に付けているとうかがわれます。それゆえ「役立てるよう努力していきたい」ではなく、即戦力になることを伝える必要があります。上記例文の場合だと「これらの能力を活かして即戦力として活躍できると考えてております」などと書いたほうがよいでしょう。

 

 

(4)スキルアップしてゆくことを目標といたします
「スキルアップが目標」とはアピール度が低いといわざるを得ません。スキルアップは必須で、採用側としてはスキルアップしてもらわないと困ります。この場合ならば、「スキルアップしていち早く貴社に貢献していきたいと思う」など、採用側に採用したいと思わせる表現を用いたほうが効果的です。

 

 

(5)他社にはない人事評価制度があり
具体的に、人事評価制度のどこに魅力を感じているのかを志望動機の一つとして書くとよいでしょう。

 

(6)前向きに頑張れると考えています
志望動機文の締めくくりとして、「前向きに頑張れると考えています」だと少し弱い印象を受けます。「頑張る」という精神論は志望動機としては非常にぼやけた表現です。がんばるのは当たり前であって、採用する側に「ぜひ採用したい」と思わせるような強い表現がほしいところです。例えば、「他社にない人事評価制度を通じて、自分自身を大きく成長させ、貴社に貢献していきたい」など、将来に期待を抱かせるような強い表現で締めくくりたいところです。

総評

上記の志望動機例文では、一般事務の仕事を5年経験を積んだ上での同職種への転職であるため、スキル面をメインにアピールできていることは評価できると思われます。ただ、自己PR志望動機は異なります。なぜ前職を辞めてまで同じ一般事務職に転職しようとしているのかを書く必要があります。上記の志望動機例文では、「会計の知識や表計算ソフトの技術」が前職では実現できなかったために、そのスキルアップを目的とした転職であると考えることができます。それならば、スキルアップが目的の志望動機文にすると、より説得力を持たせることができるでしょう。

 

一般事務職の志望動機例文の検証(転職編3)

以下の一般事務の志望動機は、営業経験がありますが、一般事務は未経験の場合の例文です。

(1)私が一般事務職を志望する理由は2つあります
1つめは前職の経験を活かせることです。私は営業の仕事をしてきまして、お客様と直接交渉をするだけでなく、どのようにすれば売上を伸ばすことができるのか常に考え、考察したことをパソコンを使ってデータ処理をしていました。(2)より効率的にパソコンを使えるように工夫をし(3)さまざまなソフトの利用にも習熟しています。この経験を一般事務の仕事に活かせると自負しています。
もう一つの理由はコミュニケーション能力です。一般事務も同じ職場で働く社員間でのコミュニケーションが大切です。私はこれまでお客様にどうすれば受け入れてもらえるのか考えながらコミュニケーションをしてきました。この経験を活かして、チームとなって仕事ができると考えています。

 

(1)私が一般事務職を志望する理由は2つあります。
志望動機文をダラダラと書くと、要点がつかめず伝わらない文章になるリスクがあります。上記の志望動機文のように箇条書きにすることで、伝えることが明確になり、志望動機文が引き締まります

 

(2)より効率的にパソコンを使えるように工夫をし
どのように工夫をしてきたのかが分かるエピソードが1つでも書かれていると、より説得力を持たせることができるでしょう。

 

(3)さまざまなソフトの利用にも習熟しています
「さまざまなソフト」という書き方は抽象的で、具体的に何のソフトが使えるのか分かりません。特に応募先で必要とされるソフト名を書くことで、よりスキルをアピールできます。ここで注意しなくてはいけないのは、応募先の業務にまったく関係のないソフトまで書かないことです。志望動機文はスキル自慢する場ではなく、経験やスキルを応募先企業でいかに貢献できるかを重点的に書きます

総評

上記の志望動機例文では、冒頭で「一般事務職を志望する理由は2つある」と示し、一般事務を志望する動機を展開していく書き方です。このような書き方は、志望動機を端的に伝えることができるメリットがあります。
「効率的にパソコンを使えるように工夫」した内容や「さまざまなソフト」ではなく、応募先企業の一般事務で役立てることのできるソフトに絞って、即戦力をアピールした方が良いでしょう。

 

 

 

 

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