履歴書の趣味の書き方

履歴書の趣味欄はなんとなく軽視してしまいがちですが、書き方次第でアピールすることができます。趣味欄は人間性が見えるところなので、あえて人間性を見せることで魅力や具体的な人物像を伝えることができます。
趣味によって、いかにしてその人物像を伝えることができるのかを以下に説明します。

 

 

趣味欄で採用側は何を知りたいのか?

採用担当者が履歴書の「趣味」欄で知りたいことは、応募者の日常の生活ぶりや人物像です。趣味を知ることで、以下の事柄がある程度わかります。

  • 普段どのような生活をしているのか
  • 物事に対してどのように取り組んでいるのか
  • どのような人なのか

したがって、趣味が特別にユニークである必要はありませんし、趣味の内容で採用・不採用が決まるわけでもありません。ただし、趣味の書き方次第では、自己PRのように自分をアピールする書き方があります
では、どのようにして趣味を書くと評価される履歴書のなるのか以下に説明します。

 

趣味の書き方を工夫してアピールする

履歴書の「趣味」欄で書く内容によっては自分をアピールすることができます。採用側は、応募者の人物像をつかむために意外にもよく見る箇所です。書き方としては、趣味とその具体的な説明を書き添えます

 

趣味の書き方例

読書
(自己啓発本を好んで読んでいます。学んだことは実践して、日々の生活や仕事に役立てています。)

 

例えば、「読書」、「音楽鑑賞」、「野球」などが趣味の場合、単に「読書」、「音楽鑑賞」、「野球」などと単語を並べるだけではありきたりすぎて、人柄が伝わってきません。読書ならば、どのようなジャンルが好きで、月に何冊くらい読むのか、感銘を受けた作家はだれかなど具体性を持たせます。野球ならば、チームのキャプテンをつとめていたり、少年野球のコーチをやっていたりすることを書き添えたりすると、採用担当者もイメージしやすく、人柄や取り組み姿勢が伝わりやすくなります

 

応募先に合わせて趣味の説明を書き分ける

同じ業界や職種でも仕事内容は応募先によって仕事内容や求める人物像は異なります。採用担当者が応募者の趣味を読んで心に響くように書かなければなりません。
例えば、求人の求める人物像に以下のようなことが書かれていたとします。

<求める人物像>

  1. 新しいことにチャレンジしたい人
  2. 困難を乗り越え、最後までやり抜く強い精神力がある人
  3. 業務の計画を自ら立て、実行できる人
  4. コミュニケーション能力が高い人

企業は何もすべての項目を満たしている人を望んでいるわけではありません。趣味を通じて、どれか1つでも求める人物像に近い自分をアピールできないか探してみましょう。

 

もし、趣味が「旅行」ならば、「未知の場所での新しい挑戦や体験は刺激的なことです」と添え書きすれば上記1、「事前に行き先と行動の予定を綿密に立てます」と書けば上記3、「旅先では多くの旅仲間ができました」と書けば上記4のアピールになります。
このように1つの趣味でもさまざまに角度を変えて見てみると、何かしらアピール点は見つかるものです。

 

複数の趣味ではアピールできるほうを先に書く

複数の趣味がある場合は、よりアピールしやすい方を先に書くのが良いでしょう。仮に、以下の人材が求められているとしましょう。

<求める人物像>

  1. チャレンジ精神が旺盛な人
  2. チームワークで仕事ができる人
  3. 困難を乗り越える強い精神力がある人

趣味が「サッカー」と「映画鑑賞」ならば以下のように、よりアピール度の強い「サッカー」を先に書くとよいでしょう。

<趣味>
・サッカー
(昨年の練習中のけがを乗り越え、社会人チームの大会で優勝しました)

 

・映画鑑賞
(アクション映画を好んで観ます。)

「チャレンジ精神」、「チームワーク」、「困難を乗り越える強い精神力」をアピールするならば「映画鑑賞」よりも「サッカー」の方が履歴書に書く趣味としてはアピール度が高いと言えます。

 

趣味が読書・音楽鑑賞・映画鑑賞の効果的な書き方

「読書」、「音楽鑑賞」、「映画鑑賞」は履歴書に書かれる代表的な趣味でしょう。だからこそ、単に「読書」、「音楽鑑賞」、「映画鑑賞」だけでは何にも伝わってきません。しかし、書き方を工夫すれば、他の応募者とは一味違った「人物像」を伝えることができます。その他大勢に埋もれてしまわないためにも以下の例文のように工夫するとよいでしょう。

 

趣味が読書の場合の例文

「読書」は履歴書に書かれる最も多い趣味の一つでしょう。好きなジャンルや作家、読書量、読書によってプラスになったことなどを書き添えることで具体性を示すことができます。

例文1

<趣味>
読書
(ミステリー小説を中心に読んでいます。昨年は120冊の本を読みました。)

ただ「読書」と書くだけではなく、どのようなジャンルが好きなのか、どのくらい読むのか具体的に書くことで人柄などを伝えることができます。

 

例文2

<趣味>
読書
(小説、ビジネス、エッセイ、ノンフィクションなどジャンルを問わず読んでいます。そのおかげで幅広い知識や様々な文体を身に付けることができました。)

色々なジャンルが好きならば、あえてジャンルを絞らず、上記のように幅広い関心、視点、知識をアピールする書き方もあります。

 

例文3

<趣味>
読書
(ノンフィクションを好んで読んでいます。特に〇〇〇〇の作品はすべて読破し、現代社会が抱える問題に対するするどい視点には共感できるものがあります。)

特定のジャンルの中でも好きな作家とその理由を書くことで、普段どのようなことに関心を持っているのか、おおよその人物像を伝えることができます。

 

趣味が音楽鑑賞の場合の例文

音楽鑑賞も履歴書によく書かれる趣味の一つです。平凡な趣味だからこそ、好きなジャンルやアーティスト、音楽鑑賞によって得ることなどを書いて他の応募者とは違った人柄を出すようにしましょう。

例文1

<趣味>
音楽鑑賞
(クラシックが好きで、中でもショパンが好きです。月1回クラシックのコンサートに行きます。)

趣味として書くことがなくて「音楽鑑賞」と書いたと思われないためにも、どんなジャンルの誰が好きなのかを書くことで本当に音楽鑑賞が好きであることを伝えることができます。

 

例文2

<趣味>
音楽鑑賞
(80年代のハードロックが好きです。特に〇〇〇〇というバンドは10年近くのファンです。)

上記のように具体的に好きな音楽のジャンルやバンド名を書いた場合の記入例です。

 

例文3

<趣味>
音楽鑑賞
(洋楽を中心に聴いています。歌詞カードを見て英文の意味を調べることが多いので、英語の勉強にも役立っています。)

上記の例文の場合、趣味の音楽鑑賞に加えて、学習意欲の強さを示すこともできます。特に英語を使う職場では一層アピールにつながるでしょう。

 

例文4

<趣味>
音楽鑑賞
(ジャズを好んで聴いています。ジャズベースに魅了され、週に一度のペースでジャズベースを習っています。)

上記の例文の場合では、単にジャズを聴くだけではなく、ジャズベースを習っていることを追記することでアクティブさを伝えることができます。

 

趣味が映画鑑賞の場合の例文

映画鑑賞も履歴書の趣味欄によく書かれます。読書や音楽鑑賞と同様に、好きなジャンル、俳優、作品、監督など具体的に書くことで、単に趣味欄を埋めるために書いた趣味ではないことが伝わります。

 

例文1

<趣味>
映画鑑賞
(コメディ映画が好きです。中でも、チャールズ・チャップリンの作品は非常に魅力を感じてます。)

映画の好きなジャンル、映画俳優、作品などを具体的に書くことで採用担当者もイメージしやすくなります。

 

例文2

<趣味>
映画鑑賞
(好きなジャンルはアクション映画です。年間で50回ほど映画館へ行きます。)

「よく映画館へ行きます」という抽象的な書き方より、具体的な頻度を書いた方がよく伝わります。

 

例文3

<趣味>
映画鑑賞
(洋画を中心に観ますが、自宅で観るときは字幕を消して英語の勉強にも役立てています。)

趣味の映画鑑賞を通じて、学習意欲の高さをアピールすることができる例文です。英語に限らず、映画を通じて成長できたことを書けば前向きな姿勢をアピールできます。

 

さまざまな趣味の書き方(例文)

どのような趣味を書くにせよ、必ず説明を添えます。ただし、履歴書の趣味欄には限りがあるので、ダラダラと長文にならないように簡潔に書きましょう。

趣味がドライブの場合の例文

<趣味>
ドライブ
(休日のほとんどはドライブに出かけます。気分をリフレッシュさせるために、自然の多い地域をドライブコースとして選ぶことが多いです。)

業務に車を運転する機会がある仕事を希望している場合、特に有効な趣味になるでしょう。

 

趣味が料理の場合の例文

<趣味>
料理
(創作料理をよく作ります。自らアイデアを出してレシピにない料理を作ることにやりがいを感じます。)

独創的な発想は何もクリエイティブ系の仕事だけに必要とされるわけではなく、仕事のあらゆる場面で独創性は活かされます。上記の例文では、独創性や自由な発想力のアピールになるでしょう。

 

趣味がサッカーの場合の例文

<趣味>
サッカー
(地元の社会人チームに所属して、週に1回練習や試合を行っています。昨年は大会で準優勝を取りました。)

仕事には多少の無理が伴う場合もあるものです。体が弱く病気がちであれば仕事も長続きしません。社会人になってからも趣味としてスポーツをやっていることは体力があることをアピールできます。

 

趣味が野球の場合の例文

<趣味>
野球
(社会人チームに所属している他、現在は少年野球チームのコーチを務めています。)

体力があることの他に、指導力や統率力をアピールすることができます。管理職やリーダーシップを必要とされる仕事では有効でしょう。

 

趣味が旅行の場合の例文

<趣味>
旅行
(見知らぬ土地を散策することに好奇心がそそられます。また、現地の人々との触れ合いも旅行の楽しみの一つです。)

趣味の旅行を通して、好奇心の旺盛さ、積極性、チャレンジ精神が伝わる例文です。

 

趣味が登山の場合の例文

<趣味>
登山
(より高いレベルの登山に挑戦中です。困難を乗り越えて登頂したときの達成感は何事にも代えがたい喜びを感じます。)

仕事においても時に困難が立ちはだかることがあります。上記のような例文では、困難を乗り越える精神力があることのほか、アクティブで前向きな気質、健康体であることが伝わってきます。

 

評価を下げる趣味

書類審査、面接を通じて採用に至るまでに、複数の関係者が色々な角度から応募者を審査します。趣味ならば何でも正直に書けばよいというわけではありません。以下のような趣味を書いた結果、履歴書の評価を下げてしまわないようにしましょう。

 

投資系の趣味

「投資」には、株式、不動産、先物、FXなど様々なものがあります。投資は収入が伴うものなので、副業をしているように見なされる可能性があります。
中には副業を認めている会社もありますが、採用前の書類審査の段階で履歴書に趣味として投資に関係することを書くのはリスクがあります。

 

ギャンブル系の趣味

パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇などのギャンブルを履歴書の趣味として書くのは控えたほうがよいです。ギャンブル依存で、借金を抱えたりはしないか、計画性はあるのかなどと不安に思う採用担当者もいることでしょう。
応募先が上記の業界であれば、むしろ強みになる場合もありますが、誤解されないような書き方は必要でしょう。

 

危険な趣味

エアガン、ナイフ収集など危険な趣味も書かない方がよいでしょう。エアガンやナイフは使い方を間違えると犯罪にもなってしまいます。実際に人や動物に対する犯罪も起きています。「危険な人」と思われないためにも、このような趣味は履歴書に書くことは控えた方がよいでしょう。

 

サブカルチャーな趣味

アニメ、コスプレ、アイドル、ゲームなどの一般的に「マニアック」とされているサブカルチャーな趣味は、一般的に浸透しているものではないため、マイナスの印象を与える可能性があります。採用関係者全員に理解されるのは難しいと考えてよいでしょう。

 

奇をてらいすぎた趣味

個性をアピールしたり、印象を強くしようとするあまり、奇をてらいすぎた趣味を書くと逆効果になることがあります。
あくまで、応募先の社風などを考慮して記入しましょう。

 

空欄や「特になし」は厳禁

履歴書で空欄を残すことは絶対にやってはいけないことです。空欄がある履歴書は評価が下がるどころか、「やる気なし」と見なされて落とされる可能性もあります。
「特になし」も同じです。「何が何でも採用されたい!」という強い気持ちがまったく感じられません。履歴書のすべての項目で自分をアピールするくらいの気持ちが必要です。

 

趣味無し1

 

趣味無し2

 

履歴書に書く趣味が見つからない場合

先述のように、空欄や「特になし」は厳禁で、趣味があったとしても履歴書の趣味として書くべきではない趣味を説明しましたが、どうしてもかけない場合は、「趣味」欄のない履歴書用紙を選ぶしかありません。

このサイトでは「趣味」欄がない履歴書フォーマットを用意していますので活用してください。

 

嘘の趣味を書かない

履歴書に書くべき趣味がないからといって、嘘の趣味を書くのはいけません。面接では、履歴書に書かれていることに嘘はないか、または、人物をより深く知るために、読めばわかることでも面接官は質問してきます。
1つの趣味に対しても、さまざまな角度から質問される可能性もありますので、嘘の趣味を書いているとボロが出てバレてしまいます。
面接で聞かれてもきちんと回答できる趣味を履歴書に書くべきです。

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