添え状のタイプ別例文(1/2)
添え状(「送付状」や「カバーレター」とも言います)の重要性は「添え状の基本的な書き方」で述べましたが、ここでは添え状(送り状)の基本スタイルから、職務経歴が短い場合、転職回数が多い場合、未経験職種に応募する場合、ブランク期間(離職期間)が長い場合など、さまざまなケースに応じた添え状の書き方の例文(テンプレート)を紹介します。
また、添え状のテンプレートをダウンロードすることができます。
添え状の基本例文1
添え状の基本的なテンプレート(その1)です。
○○株式会社
○○課 ○○様
〒XXX-XXXX
東京都○○区・・・・
氏名 ○○ ○○
電話 03-XXXX-XXXX
○○への応募の件
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、○月○日発行の求人誌「○○○」に掲載されておりました貴社の○○職の募集を拝見し、ぜひ応募させていただきたく履歴書・職務経歴書をお送りいたします。
私はこれまで○年間にわたり・・・(中略)・・・。この経験を活かして貴社に貢献したいと考え応募させていただきました。
ぜひ面接にてお話しする機会をいただけたら幸いです。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
- 社名は「(株)」と省略せずに「株式会社」と書きましょう。
- 「拝啓」は字下げせずに文頭から書き、続けて「前文」を書きます。
- 求人情報を知った媒体名(求人サイト・新聞・雑誌など)を書きます。
- どの職種を希望しているのか書きますが、複数の職種を募集している場合は、タイトルに「○○職応募の件」などと、タイトルに職種を入れるとよいでしょう。
- 自分のアピールポイントを簡潔に書きます。
- 「拝啓」に対して「敬具」で結びます。
添え状の基本例文1のサンプル
株式会社○○○○
人事部 鈴木太郎様
〒123-1234
東京都新宿区北新宿2-8-1
氏名 山田 一郎
電話 03-9999-9999
営業職求人への応募について
拝啓 貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
さて、このたびは求人サイト「転職エージェント」に掲載されておりました貴社の求人広告を拝見し、営業職として選考していただいたく思い、応募させていただきます。
前職では営業経験ゼロからスタートしましたが、お客様と密にコミュニケーションをとり、持ち前の行動力と情報収集力を活かすことで、個人、チームともに好実績を上げることができました。今までの経験は、貴社の営業職におきましても十分に役立てると考えております。
つきましては、履歴書と職務経歴書を同封いたしましたので、ぜひともご検討のうえ、ご面談の機会を与えていただけますよう心からお願い申し上げます。
なにとぞよろしくお取り計らいくださいますよう、お願い申し上げます。
添え状の基本例文2
添え状の基本的なテンプレート(その2)です。
○○株式会社
採用ご担当 ○○様
〒XXX-XXXX
東京都○○区・・・・
氏名 ○○ ○○
電話 03-XXXX-XXXX
拝啓 貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
このたび、○○○○に掲載されました貴社の求人募集を拝見し、ぜひ○○職に応募させていただきます。
私は、前職において・・・(中略)・・・。この経験を活かして貴社に貢献したいと考え応募させていただきました。
必要書類を送付いたしますので、ご査収の上、ぜひ面接にてお話しする機会をいただけたら幸いです。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
同封書類
1. 履歴書 1通
2. 職務経歴書 1通
添え状の基本例文2のサンプル
株式会社○○○○
総務部 採用ご担当者様
〒889-9999
東京都渋谷区南代々木1-1-1
氏名 山本 太郎
電話 03-1111-8888
Webプランナーへの応募の件
拝啓 貴社におかれましてはいよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、6月20日付「毎朝新聞」に掲載されました貴社の求人募集を拝見し、ぜひWebプランナー職に応募させていただきます。
これまで5年間、Webデザイナーとして従事してきました。その経験とスキルをベースに、お客様へのヒアリング、情報収集、提案を行い、Webサイトの品質の重要な担い手となる貴社のWebプランナーとして従事したく応募させていただきました。
決められた業務をこなすだけではなく、自発的に行動し、お客様に喜ばれるサイト作りを目指していきたいと思います。
将来的には、貴社の事業を牽引する要として活躍していきたいと考えております。
つきましては、履歴書・職務経歴書をご高覧いただき、ぜひ面接の機会を与えていただければ幸いです。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
同封書類
1. 履歴書 1通
2. 職務経歴書 1通
転職回数が多い場合の添え状の例文
転職回数が多い場合の添え状の例文を紹介します。転職回数が多いことは、採用に不利にはたらく要因の一つですが、熱意や今後の姿勢を書くことで少しでも不安を払しょくしましょう。
デジタルテクノロジー株式会社
採用ご担当 ○○様
〒XXX-XXXX
東京都○○区・・・・
氏名 ○○ ○○
電話 03-XXXX-XXXX
○○職への応募の件
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、求人サイト「ジョブナビエージェント」に掲載されていました貴社の○○職の募集を拝見し、ぜひ応募させていただきたく履歴書・職務経歴書をお送りいたします。
私はこれまで○社のうち○社で○○職を経験し、○○○で実績を上げ活躍してきました。
これまで○社を経験してきていますので、転職回数は多いですが、ステップアップのためや、未経験分野へのチャレンジのためでした。
興味や関心の幅が広いこと、幅広い経験と知識を活かして複合的なものの見方ができるのが強みでもあります。
今後は、今までのキャリアの集大成として、貴社で活躍し貢献していきたいと考えていますので、なにとぞ面接の機会をいただけますようお願い申し上げます。
- 「これまで○社を経験してきていますので、転職回数は多いですが・・・」
転職回数が多いことを素直に認めてしまいましょう。下手に転職の多さを隠そうとするよりは好印象を与えます。
- 「ステップアップのためや、未経験分野へのチャレンジのためでした」
転職か回数が多いと、「本人に何か問題があるのでは?」と採用担当者は疑念を抱きがちになります。書類に目を通される前に、転職を繰り返してきた理由を述べることで採用担当者の不安感を和らげる効果があります。
- 「興味や関心の幅が広いこと、幅広い経験と・・・強みでもあります。」
「今までのキャリアの集大成として・・・」
転職が多いからこそ得たことをアピールすることで、マイナスの印象をプラスに変える効果があります。 - 「今回を最後の転職とし・・・」
今回が最後の転職であることを明記することで、「またすぐに辞めてしまうのではないか」といった不安を払しょくすることができます。
転職を繰り返した理由、転職によってどのようにステップアップしていったのか、そしてもう転職はしない、ということを添え状でしっかりと書きましょう。
転職が多い場合の添え状の書き方と例文の詳細については、「転職が多い場合の添え状の書き方と例文-詳細編」をご参照ください。
転職回数が多い場合は、志望動機もそれに合わせた書き方が必要です。
以下のページをご参照ください。
転職が多い場合の志望動機と例文
転職回数が多い場合の履歴書の書き方と記入例
未経験職種の添え状の例文
未経験職種に応募する場合の添え状の書き方を紹介します。
未経験職種も、採用に不利にはたらく要因の一つですが、過去のキャリアで活かせる経験、応募職種に対する取り組み、熱意を書いて戦力になることをアピールしましょう。
○○株式会社
採用ご担当 ○○様
〒XXX-XXXX
東京都○○区・・・・
氏名 ○○ ○○
電話 03-XXXX-XXXX
○○応募の件
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の募集を拝見し、ぜひ応募させていただきたく履歴書・職務経歴書をお送りいたします。
○○職は未経験ではありますが、前職での○○や○○の経験は貴社での業務に十分に活かすことができると考えています。
現在は○○の資格取得に向けて勉強中です。
必要な知識やスキルは積極的に身につけ、一日も早く戦力になれるよう努力いたしますので、ぜひ面接の機会をいただければ幸いです。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。
- 「前職での○○や○○の経験は貴社での業務に十分に活かすことができる・・・」
職種は異なっていても、共通して活かせることができる経験は必ずあります。応募先の業務内容や求人案内を研究し、これまでの経験やスキルとの合致点を記載します。
- 「現在は○○の資格取得に向けて勉強中です。」
応募先の業務内容に関連することを勉強していることをアピールします。資格試験の受験が決定している場合は、「○月受験予定の・・・」と書き添えると信憑性が増し、本気に取り組んでいることをアピールできます。
- 「必要な知識やスキルは積極的に身につけ、一日も早く戦力になれるよう努力いたしますので・・・」
受け身ではなく、自発的にスキルアップに取り組む姿勢を示します。
応募先の企業で自分が何ができるのかを伝えることが大事です。過去の業務内容との共通点を見つけ、戦力になることをアピールしましょう。勉強中であることをアピールし、一時的な興味でないことを伝えましょう。そのためには過去の仕事の棚卸と応募先の企業研究が必要です。
未経験職種・業種に応募するときは志望動機もそれに合わせた書き方が必要です。
失業期間が長い場合の添え状の例文
失業期間が長い場合の添え状の書き方を紹介します。
失業などによって、長期のブランク期間(離職期間)があるのに何も説明がないと、採用側に不安を抱かせてしまいます。不安を払しょくするような添え状の書き方の例文を紹介します。
○○株式会社
採用ご担当 ○○様
〒XXX-XXXX
東京都○○区・・・・
氏名 ○○ ○○
電話 03-XXXX-XXXX
○○応募の件
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の募集を拝見し、ぜひ応募させていただきたく履歴書・職務経歴書をお送りいたします。
前職を退職してから○年間の失業期間がありますが、この間、○○の資格取得に向けて勉強していました。
この○年間で得た知識は貴社の業務で十分に発揮できると考えております。
履歴書・職務経歴書をご査収の上、ぜひ面接の機会をいただけますようお願い申し上げます。
- 「○○の資格取得に向けて勉強していました」
スキルアップのために前向きに取り組んでいたことをアピールできます。
- 「この○年間で得た知識は貴社の業務で十分に発揮できると・・・」
失業の間、スキルがさびついたのではなく、すぐにでも戦力になることをアピールします。
採用側はブランクの理由を知りたがります。勤務意欲や健康状態に問題がないかという不安を払しょくできるよう書く必要があります。ブランク期間(離職期間)に何をしてきたのかしっかりと伝えたうえで、それが応募先にどのように役立つのか、につながる必要があります。
ブランク期間(離職期間)が長い場合の添え状の書き方の詳細については、「失業期間が長い場合の添え状の書き方と例文-詳細編」をご参照ください。
失業期間が長い場合は、自己PRの書き方を工夫する必要があります。
以下のページをご参照ください。
失業期間が長い場合自己PRの書き方
ブランクがある場合の履歴書の書き方と記入例
倒産やリストラなどで退職した場合の添え状の例文
倒産やリストラなどで退職した場合の添え状の書き方を紹介します。
倒産やリストラなどにより不本意に退職した場合でも、応募職種に対して前向きな姿勢を示すことが大切です。
○○株式会社
採用ご担当 ○○様
〒XXX-XXXX
東京都○○区・・・・
氏名 ○○ ○○
電話 03-XXXX-XXXX
○○応募の件
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の○○職の募集を拝見し、ぜひ応募させていただきたく履歴書・職務経歴書をお送りいたします。
前職では○○株式会社において、○○職に従事していましたが、業績不振により「早期希望退職制度」を利用して退職いたしました。
前職で得た○○や○○の技術は貴社の業務で活かすことができますので、即戦力として活躍できるかと存じます。
履歴書・職務経歴書をご査収の上、ぜひ面接の機会をいただけますようお願い申し上げます。
- 「業績不振により「早期希望退職制度」を利用して退職・・・」
リストラや業績不振など本人都合ではなく、会社都合で退職することを書きましょう。
- 「○○や○○の技術は貴社の業務で活かすことができますので、即戦力として活躍できる・・・」
リストラや業績不振での退職の場合でも、応募先で戦力になることをアピールしましょう。
リストラや倒産による退職でも身につけたキャリアは自分にとっての財産です。たとえリストラにあったとしても、自分を過小評価せずに、今までの業務の内容や実績を添え状でアピールしましょう。
倒産やリストラなどで退職した場合の添え状の書き方の詳細については、「倒産やリストラで退職した場合の添え状の書き方と例文-詳細編」をご参照ください。
履歴書や職務経歴書で書く退職理由にも、一工夫するだけでアピールすることができます。