派遣社員から正社員への志望動機の書き方と例文

  2022年8月29日更新  

 

派遣社員から正社員への志望動機の書き方とその例文を紹介します。

 

 

通常は、正社員から派遣社員になるパターンがほとんどだと思いますが、派遣社員から正社員を志望する場合は、それなりの志望動機が求められます。

 

 

 

安定性を求めた志望動機はNG

今まで他の会社で派遣社員として勤務してきた人が正社員として応募してきた場合、採用側が知りたいのは、「なぜ正社員なのか?」という志望理由です。

 

景気が悪くなると最初に人員整理されるのはパート、アルバイト、派遣社員などの非正規雇用の人材だったりします。たとえ、正社員としての安定性を求めて応募した場合でも、決して本音を書いてはいけません

 

では、派遣社員から正社員を希望する場合、どのように志望動機を書けばよいのか考えてみましょう。

 

派遣社員と正社員とでは業務範囲が異なります。派遣社員は、正社員より限定された業務を任されることが一般的です。

 

しかし、正社員ではより責任が重く、より広い業務を任されるので、やりがいを持って仕事ができるのではないでしょうか。応募先企業の業務内容を研究して、自分のやりたいことと絡めて表現すれば、説得力を持った立派な志望動機になります。

 

また、一般的に派遣社員はさまざまな会社で経験を積むためキャリアが豊富です。その豊富なキャリアで着実にステップアップしてきたことをアピールし、それを志望動機と絡めると評価が高くなります。

 

また、正社員になれば、責任範囲が増える分、社内事務など本来の担当業務以外の仕事が発生したりして、派遣社員のときよりも負荷が重くなることが考えられます。採用側の不安を払拭するためにも、問題なく対応できることをアピールもしておくとよいでしょう。

 

 

派遣社員から正社員希望の志望動機の例文

以下に、派遣社員から正社員を希望する場合の志望動機の悪い例文と良い例文を用意しました。それぞれを参考にして、説得力のある志望動機を作成してみてください。

 

派遣社員から正社員希望の志望動機の悪い例文

今まで派遣社員として8社経験し、営業事務、販売、雑誌編集、接客など(1)多種多様な職種を経験してきました。様々な仕事を経験することで得ることのでき(2)たスキルを貴社の業務に活かしたいと考えています。また、派遣社員は非正規雇用であるため、(3)雇用の安定性にも不安があります。貴社の(4)充実した福利厚生に魅力を感じております

 

(1)「多種多様な職種を経験してきました」
いろいろな仕事を経験してきたことをアピールしたいところですが、それで終わっていては単なるキャリア自慢になってしまいます。応募先の仕事で役立つ経験を強調して、関連のない経験は入れないほう志望動機がぼやけずに明確に見えてきます。

 

(2)「スキルを貴社の業務に活かしたいと・・・」
取得したスキルをどのように活かしていこうと考えているのかを書く必要があります。

 

(3)「雇用の安定性にも不安があります」
雇用の安定を志望動機に書かないほうがよいでしょう。採用側としては、業務を通じて会社に貢献してもらえることを期待しています。あくまで業務内容を志望動機に含める必要があります。

 

(4)「充実した福利厚生に魅力を感じております」
福利厚生に魅力を感じるのは自由ですが、これを志望動機に書くのは良くありません。先述のとおり、志望動機には業務内容のことを書きます。

 

派遣社員から正社員希望の志望動機の良い例文1

現在の会社では派遣社員として営業を担当していますが、(1)正社員に比べて業務内容が限られており、自分の裁量で仕事を動かしていきたいと思っています。(2)貴社の業務内容である、プレゼン資料作成、市場開拓・調査、販売促進などは過去において3年間の経験があります。この経験は十分に貴社で活かせると考えています。また、派遣社員のように一定の限られた期間だけ働くスタイルではなく、(3)会社組織の一員として関わり、実績を作り上げていきたいと思い応募いたしました

 

(1)「正社員に比べて業務内容が限られており・・・自分の裁量で仕事を動かしていきたい・・・」
派遣社員は正社員よりも業務範囲が狭いのが一般的ですが、責任の範囲をもっと広げたい意思を伝えている点は評価されます

 

(2)「貴社の業務内容である、プレゼン資料作成・・・3年間の経験があります」
派遣社員経験が長くなると様々な仕事を経験することが多いと思いますが、あくまで応募先の業務内容に絞ってアピールします。経験してきたことを何でも書き連ねることは、逆に応募先企業への志望動機が薄れ評価が低くなってしまいます。

 

(3)「会社組織の一員として関わり、実績を作り上げていきたい・・・」
応募する企業の正社員になる覚悟と意欲が感じられます。採用担当者は、「定着して長く勤務できるのか」という不安があるものです。職場の環境適応力やコミュニケーション力をアピールするとさらによいでしょう。

 

 

派遣社員から正社員希望の志望動機の良い例文2

私は現在まで派遣社員として約3年程働いており、その間、自分の得意分野のみならず未経験の業務まで経験させてもらいましたが、(1)自分が培ってきた専門的な知識や技術を活かせる業務を任される機会が少ないことが正社員を志望するきっかけになりました
派遣社員となる前、約15年勤務していた企業では、事務職の他、(2)社内独自システムのシステム構築等を担当しておりました。今回、御社の情報システム部門への求人を拝見させていただき、私が今まで培ってきたスキルを発揮できる大きなチャンスと考えております
1日でも早く戦力となり、御社の更なる発展に貢献したいと考えておりますので、何卒宜しくお願い致します。

 

(1)「自分が培ってきた専門的な知識や技術を活かせる業務を・・・」
この文が派遣社員から正社員希望の志望動機に該当しますが、安定や待遇ではなく、業務を求めている点は押さえておきたいポイントです。

 

(2)「社内独自システムのシステム構築等を・・・大きなチャンスと考えております」
応募先で活かすことのできるスキルをアピールします。

 

派遣社員から正社員希望の志望動機の良い例文3

私は1年間、派遣社員として証券窓口の販売業務を経験してきました。
窓口に来られるお客様の多くは、すでに購入予定の金融商品を選ばれている方々ばかりで、初めは商品提案をしても聞き入れてもらえませんでした。
しかし、購入理由や商品の今後の見通しを詳しく伺うと、本音は購入に踏み切る勇気がなく、アドバイスがほしかったというケースが多々ありました。
そこで(1)投資の目的・経験・展望等を伺い、そこからお客様が投資に抱く潜在的なニーズを見出す商品提案を実現しました
その結果、窓口に来られる固定客の増加につながり、窓口の販売成績の向上へと結び付いたときは至上の達成感を得ることができました。
私はこの経験から、自分の提案が数字につながる喜びを知り、(2)より積極的に数字を追求する証券営業にチャレンジしたいと思いました
そのため、窓販業務に限定された派遣社員から営業業務も可能な正社員を希望します。

 

(1)「投資の目的・経験・展望等を伺い・・・商品提案を実現しました」
応募先で活かせる実績は大いにアピールします。

 

(2)「より積極的に数字を追求する・・・と思いました」
ステップアップを求めて派遣社員から正社員を希望したことが伝わる動機です。

 

 

正社員を目指す志望動機のポイント

採用する側を経験した立場からの意見を述べさせて頂きます。大きく聞きたいポイントは2点と思います。1つは「今まではなぜ派遣社員(期間社員・契約社員)で働いてきたのか」ということと、2つめは「なぜ正社員となりたいのか」の2つになります。誰しも聞きたい事ですし、面接においても間違いなく聞かれることですので、しっかり内容を作り込む必要があります。

 

今まで、なぜ派遣社員(期間社員・契約社員)で働いてきたのか

ここが大きなポイントとなることは間違いないでしょう。まずは本音で攻めるか建前で攻めるかですが、本音ですとどうしてもネガティブな理由となってしまいがちということがあるのに対して、建前過ぎてあまりにも自分を偽ると、深堀りされた時に答えに戸惑ってしまったり、入社後ずっと偽り続けなくてはいけません。それにそもそも嘘や偽りはNGです。私のたどり着いた答えは「本音ベースではあるが、嘘はつかない程度の誇張はする」です。

 

派遣社員(期間社員・契約社員)の職歴は、マイナスに見られることはしっかり認識すること

はっきり言わせて頂きますが、前職が派遣社員(期間社員・契約社員)というのは、前職が正社員の方に対して、マイナスと捉えられがちです。採用側は、「正社員で働けなかった理由が何かあるのかな」と考えてしまいます。ですので、なぜ派遣社員で働いてきたの?ということは、必ず聞かれます。
派遣社員(期間社員・契約社員)がいけないということはまったく無いのですが、正社員登用を目指したいのであれば、マイナスで見られることはしっかり認識し、それなりの理由を説明出来るかが、正社員になれるかなれないかのポイントであると私は考えています。

 

なぜ派遣社員(期間社員・契約社員)で働いてきたのかの例文

年代別に書くと長くなるため、それは別記事で細かく書こうと思います。ここでは代表的なものを書かせて頂きますと、

例1 「経済的に家族を助ける必要があり、働くことが最優先であったため、派遣社員(期間社員・契約社員)を致し方なく選択した」

など、正社員で働きたかったが致し方ない理由で叶わなかった。しかし自分の中ではチャンスを伺っており、それに向けスキルも磨いてきて、今回チャンスがあっため挑戦した。という流れであれば、ポジティブであり、採用官を納得させられるのではと考えます。

例2 「働き方の多様化を本で読み、自分に合った道を色々と模索しておりました。その中で個人で試してみたい事業もあったため、契約の厳しくない派遣社員(期間社員・契約社員)で働いてきました。」

などの理由も、若いうちであれば、充分に説得力のある理由と思いますし、決してネガティブではなく、同時に挑戦する威力もアピール出来る内容と思います。
このように、自身の理由をただ正直に話すのではなく、ある程度は誇張し、相手が納得する構成を作り上げることが重要と考えます。

 

 

今回なぜ正社員となりたいのか

ここは、上記の「今まではなぜ派遣社員(期間社員・契約社員)で働いてきたのか」よりいたってシンプルでよいと思います。正社員登用であるならば、

「正社員の先輩の働く姿に魅力を感じた」
「貴社の業務、環境に魅力を感じた」

など、働いた経験から、ここでずっと働きたいと魅力を強く感じたというところをアピールする形で良いと思います。

 

派遣社員から別企業の正社員への場合でしたら、

「致し方ない理由で派遣社員(期間社員・契約社員)で働いていましたが、その中においても、正社員で働くチャンスは絶えず探していましたし、そのためのスキルも磨いてきました。今回貴社の募集を拝見し、このチャンスに挑戦したいと思ったため、志望いたしました。」
「自分の道を模索する中で様々な働き方を経験した結果、会社で働くということにおいて、仲間と一つのものを作り上げていく楽しさや充実感を実感しました。一従業員として一企業に属した働き方が自分には合っていると感じたため、今回貴社の正社員の募集に志望させて頂きました。」

などの前向きな理由が作り込めたらよいと考えます。

 

転職エージェントのサポートを受ける

正社員登用や、正社員の募集案件ですと、転職コンサルタントのサポートが受けられます。その道のプロであるため、彼らの助言やサポートは大いに力になるでしょう。志望動機などに自身が無い場合は、転職支援サービスを活用することをオススメします。多くの転職サービスがありますが、例えば世界第2位の人材サービス会社のアデコ人材派遣では、多くの正社員登録ありの派遣案件を扱っていますし、正社員向けのサービスSpring転職エージェントも展開しております。他にも似たようなサービスは沢山ありますので、これらの支援サービスを上手く活用し、正社員を目指すことを強くオススメします

 

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派遣社員から正社員希望の志望動機のまとめ

  • 雇用の安定を志望動機として書かない。
  • 応募先の企業で活かせる経験やスキルを強調して書く。
  • 派遣社員としてのキャリアが豊富な場合は、着実にステップアップしてきたことを書く。
  • 正社員としての負荷増加、残業など、問題なくクリアできることを明記する。
  • ポイントは、「なぜ派遣社員(期間社員・契約社員)で働いてきたのか」と「なぜ正社員となりたいのか」の2つ
  • プロの助言を聞き、志望動機を作り上げる