派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー
派遣社員から正社員への志望動機の書き方例を、例文を基にレビューします。派遣社員から正社員を希望する場合、雇用や条件面の安定を志望動機として挙げるのではなく、正社員として責任感を持って仕事に取り組める点や派遣社員よりも広い業務をこなすことができる点などを志望動機として書きます。
派遣社員から正社員希望に関して、以下の記事も合わせてご参照ください。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー1
以下の志望動機は派遣社員として勤務している会社に正社員として応募する場合の例文です。
(1)この度、貴社の正社員募集案件に応募したいと考えたのは、派遣社員として貴社で就業した2年間の経験を活かし、さらに業務遂行精度を高め、貴社のお役に立ちたいと考えたためです。
2年前、営業部での営業アシスタントとして派遣就業を開始し、(2)営業マンの方々のサポートや商品の受発注の処理などを担当し、今では一通りのことをこなせるようになり、業務の処理スピードもあがってきていると感じています。一方で、(3)派遣社員という立場上、どうしても業務の制約があり、クレーム対応は社員の方にお願いしたり、単価の高い製品の受発注には関われなかったりという場面があり、もどかしい思いを感じていました。
正社員に登用していただくことにより、自身が関わるアシスタント業務の一連のことに責任をもって対応したり、売上に大きく貢献する場面でも戦力としていただくことで、貴社のお役に立ち、自身もさらに成長していきたいと考えています。
(1)この度、貴社の正社員募集案件に応募したいと考えたのは〜貴社のお役に立ちたいと考えたためです。
冒頭で、派遣社員から正社員への応募をした志望動機が簡潔で明確に書かれています。採用担当者が履歴書に目を通す時間は約1分と言われています。それだけに、冒頭で採用担当者の目にとまるように書くことが重要になってきます。
(2)営業マンの方々
「営業マン」の「マン」は男性を意味します。今は、女性も営業職で活躍する時代です。この場合は「営業の方々」としたほうが良いでしょう。
(3)派遣社員という立場上、どうしても業務の制約があり〜もどかしい思いを感じていました。
派遣社員から正社員を希望する理由として、雇用や条件面の安定ではなく、業務の幅を広げたいからであることが伝わります。
総評
現在勤務している企業で派遣社員ではなく正社員として勤務したい動機が明確に伝わってきます。志望動機も、雇用や条件面の安定ではなくて、派遣社員では実現できず、正社員だからこそ実現できる業務に関わることに絞っています。「なんとなく正社員になりたい」理由で応募したわけではく、積極的に責任ある業務に関わりたいという動機が伝わってきます。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー2
以下の志望動機は派遣社員の経験を活かして他の会社へ正社員希望で応募する場合の例文です。
現在の会社では派遣社員としてスマートフォンのアプリの設計と開発をしておりますが、主にキャラクターデザインを担当しております。(1)アプリ開発全般を担当したいと思い自分の裁量で仕事をして実績を作りたいと思い応募をしました。
(2)貴社の業務内容であるパズルゲームアプリの開発や、関連キャラクター商品の販売は過去に5年ほどの実績があり十分に貴社で活かせると考えております。
(3)アプリ開発では大人数の方に使っていただくために会議や調整を重ねてサービスを発表することにより成功に導き充実の仕事内容をしてきました。
今回求人を拝見させていただき、今までの経験や知識が(4)御社に貢献でき、自分のスキルを発揮できるチャンスだと信じています。
(5)何卒宜しくお願い致します。
(1)アプリ開発全般を担当したいと思い自分の裁量で仕事をして実績を作りたい
派遣社員から正社員になりたい動機として、仕事の領域を広げて、実績を作りたいという業務拡大が志望動機になっていることが伝わります。
(2)貴社の業務内容であるパズルゲームアプリの開発や〜十分に貴社で活かせると考えております。
応募先業務の業務内容と同じ仕事のキャリアがあることは即戦力となり大いにアピールになります。
(3)アプリ開発では大人数の方に使っていただくために〜充実の仕事内容をしてきました。
過去の実績を示すことで、(2)のキャリアに説得力を持たせることができます。
(4)御社
「御社」は面接など口語で使用する言葉です。履歴書などの書類では「貴社」と書きます。
(5)何卒宜しくお願い致します。
志望動機文では挨拶文は不要です。
総評
派遣社員から正社員への志望動機として、「自分の裁量で仕事をして実績を作りたい」という業務に関することが動機になっている点、応募先企業の業務内容の経験が過去にあり即戦力になりうる点、その過去の業務の成功事例などは、派遣社員から正社員になるための志望動機文としては必要事項を満たしていると考えることができます。上記のような志望動機文は応募先企業からは高く評価される可能性があります。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー3
以下の志望動機は派遣社員として勤務している会社に正社員として応募する場合の例文です。
私は、(1)御社での期間工として派遣社員で働いている内に、御社の魅力について改めて考えましたところ、(2)正社員として様々な分野に挑戦して頂ける正社員雇用制度を設けて頂けていることで、挑戦してみたいという意思が強く(3)芽生える形になりました。正社員での魅力としましては、やはり(4)魅力ある各分野に挑戦できることです。総合職としての勤務や事務職としての勤務、そして、昇任制度も設けられており、自分自身が好きなフィールドにチャレンジできるという夢を叶えることができるということ、やはり自分自身の新たな可能性に投資できる点が非常に優れていると思いました。また、(5)会議等で自身の発言を採用して頂き、プロジェクトが実現したり等、今までは派遣社員としまして、小さな歯車で従事しておりましたが、正社員になることは、大きな歯車として機能する形になりますので、そう言った意味でも大変大きな企業の一員として屋台骨として勤務できることに充実感と達成感を更に味わえるものであると思いました。(6)以上の理由から私は御社での正社員任用試験に挑戦させて頂きたいと考えております。
(1)御社
「御社」は面接など口語で使用する言葉です。履歴書などの書類では「貴社」と書きます。
(2)正社員として様々な分野に挑戦して頂ける正社員雇用制度を設けて頂けていることで
「頂く」という言葉が2回続けて使われています。丁寧に表現しようという試みがかえって不自然な日本語表現になっています。
(3)芽生える形になりました
「形」という言葉が不要です。シンプルに「芽生えるようになりました」と書けば良いです。
(4)魅力ある各分野に挑戦できる
「魅力ある各分野」とは何を指してるのかを具体性に欠いています。具体的にどこに魅力を感じて応募したのか志望動機が不明です。応募先企業にしかない「魅力ある各分野」を書くことで志望動機を明確に伝えることができます。
(5)会議等で自身の発言を採用して頂き〜充実感と達成感を更に味わえるものであると思いました。
一文が長すぎです。これだけ一番が長いと、読みにくくなり、読み手に伝えたいことが伝わらなくなります。一文一義を心がけましょう。
(6)以上の理由から
正社員になる動機として、「魅力がある」、「好きなフィールドにチャレンジできる」、「充実感と達成感を味わえる」などが書かれていますが、それらは志望動機として具体性が欠けています。どうして派遣社員ではなく正社員を希望するのか(実現したいことや貢献できることなど)を具体的に書かなければなりません。
総評
派遣社員から正社員への志望動機として、「正社員として様々な分野に挑戦」、「魅力ある各分野に挑戦できること」、「夢を叶えることができる」などと書かれ、締めくくりとして「以上の理由から私は御社での正社員任用試験に挑戦させて頂きたい」となっていますが、具体的に何に挑戦したいのか、正社員として働く上で、どんなところに魅力を感じているのかなど具体的なことが書かれていません。
上記は、同一の会社内での派遣社員から正社員へ応募するときの志望動機例文ですが、どのようなことを実現したくて正社員になろうとしているのか、どのようなことが貢献できるのかを書く必要があります。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー4
以下の志望動機も派遣社員として勤務している会社に正社員として応募する場合の例文です。
これまで複数の会社において派遣社員という形で事務業務を担当、Word/Excelでの書類作成、データ集計などに関しての経験を積み、一定の評価も得てきたと自負しております。ただ(1)派遣という立場上、任される仕事内容には限界を感じておりました。しかし、(2)御社では派遣社員ながら責任ある仕事を任せていただき、日々やりがいと喜びを感じております。そうしたなか、さらにスキルアップをして(3)多様な仕事を経験したい、また御社により貢献したいという思いが増し、このたび正社員を志望する決意をしました。マイクロソフト オフィス スペシャリストの資格も取得しました。これまで以上に御社に貢献していきたいと思っております。
(1)派遣という立場上、任される仕事内容には限界を感じておりました
派遣社員から正社員になりたいきっかけとしては問題ありません。
(2)御社
「御社」は面接など口語で使用する言葉です。履歴書などの書類では「貴社」と書きます。
(3)多様な仕事を経験したい
「多様な仕事」とは何なのか、できるだけ具体的に実現したいことを書いた方が採用する側もイメージがつかめやすくなります。「多様な仕事を経験」だと、採用側としては「当社でなくても他社でも良いのでは?」と志望動機が疑われます。
派遣社員として現在働いている会社でないといけない理由を明確に書くことで採用側も志望動機に納得がいくことでしょう。
総評
上記は、現在、派遣社員として勤務している会社で正社員になりたい場合の志望動機例文です。志望動機として「さらにスキルアップをして多様な仕事を経験したい」と書かれていますが、派遣社員では実現できなくて、正社員なら実現できることがあるはずです。「多様な仕事」と曖昧な表現ではなく、より具体的に「経験したい」仕事内容を書くと、より良い志望動機文になるでしょう。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー5
以下の志望動機も派遣社員として勤務している会社に正社員として応募する場合の例文です。
派遣社員として(1)御社で5年間、事務業務を担当してきました。自分なりに問題提起とその改善、解決に全力を尽くしてきました。ただ、どんなに全力を尽くしたくとも、派遣社員は正社員に比べて業務の範囲が限られています。今まで培ってきたスキルと業務を、今まで以上に一緒に働く人たちのために活かしていきたいと思っています。今、一緒に働いている人たちのために、そして、それに関わる人たちのために自分自身を活かすため、(2)業務の範囲を広げ新しいことにチャレンジしていきたいと考えています。一緒に働きたい仲間、この会社と一緒に成長していきたい、そのためにも御社の一員になりたいと思い、派遣社員から正社員になることを希望いたします。
(1)御社
「御社」は面接など口語で使用する言葉です。履歴書などの書類では「貴社」と書きます。
(2)業務の範囲を広げ新しいことにチャレンジしていきたい
派遣社員から正社員になりたい動機が雇用の安定ではなく、業務の範囲を広げたいというのは問題ありませんが、具体的にどのようなことをやっていきたいのかを書かなければ、明確な志望動機が見えてきません。
上記の志望動機例文では、正社員希望の会社に5年間勤務しているとのことなので、派遣社員と正社員の業務範囲の違いは把握していると想定できるでしょう。具体的にやりたいことがあるから派遣社員から正社員を希望しているので、その内容を書かないと伝わらないです。
総評
派遣社員から正社員になりたい動機として「派遣社員は正社員に比べて業務の範囲が限られている」や「業務の範囲を広げ新しいことにチャレンジしていきたいと考えている」と書かれているので、そこをもう少し掘り下げて書くと正社員への志望動機が明確になります。
「一緒に働く人たちのため」や「一緒に働きたい仲間」などの言葉が出てきますが、あくまで業務に絞って志望動機を書き、どのように会社に貢献していこうと考えているのかを展開していった方が良い印象を持たれます。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー6
以下の志望動機も派遣社員として勤務している会社に正社員として応募する場合の例文です。
私は今まで派遣社員として(1)御社で働いてきました。そして正社員の方々がそれぞれ責任を持って、イキイキと仕事をされている姿を見てきました。そんなステキな方々と一緒に、(2)今の仕事以上に責任のあるお仕事をさせて頂きたいと思って今回の一般事務職を志望いたしました。
今まで派遣社員として、電話の応対、お客様の応対、伝票の整理、必要書類のファイリングなど、様々な経験を積ませていただきました。そして御社の一般事務員としての立ち位置や他の部署とのやり取りなどについて、様々なことを学んできました。その今までの経験を活かして、正社員として働くことが出来ましたら、更に御社のために貢献できる仕事をしていきたいと思っております。私は今でも社員の方々と良い人間関係を築かせていただいておりますが、正社員として働くことが出来ましたら、さらに良い信頼関係を築いて、(3)仕事の効率をあげて、御社に貢献できるように働かせていただきたいと思っております。
(1)御社
「御社」は面接など口語で使用する言葉です。履歴書などの書類では「貴社」と書きます。
(2)今の仕事以上に責任のあるお仕事をさせて頂きたい
正社員には任されて、派遣社員には任されない業務があると思います。そのような業務がやりたくて正社員採用に応募したとすると、正社員の「責任のある仕事」とはどのようなことか分かると想像できます。それを具体的に書くことで志望動機が明確になります。
(3)仕事の効率をあげて
書類審査が通り、面接で「どのように仕事の効率を上げようと考えていますか?」と聞かれたときに、即答できるならばこのようなことを書いても問題ないでしょう。しかし、即答できないならば、言葉だけ並べるのは避けた方が良いでしょう。
総評
派遣社員から正社員となってどのような「責任のある仕事」をしたいのか、どのように「仕事の効率を上げる」のかを書くことで、説得力のある志望動機文にすることができます。
派遣社員から正社員への志望動機例文レビュー7
以下の志望動機も派遣社員として勤務している会社に正社員として応募する場合の例文です。
(1)私は現在41歳になる元派遣社員なのですが、これまでたくさんの派遣先企業様で事務員として働かせて頂きました。また、それによりたくさんのスキルと資格も手に入れてきました。しかしながら、私が正社員として働きたいと思える他社様はありませんでした。更に正社員としても働いてみたいと思える他社様もありませんでした。ところが、この度、(2)御社様の求人を御見せ頂いたところ、非常に感銘を受け、是非とも正社員とし末永く働きたいと思いました。(3)御社様の企業理念、または経営理念はとても素晴らしく思い本心から働いてみたいと思いました。ですので、私のこれまでの(4)事務員としての長く培ったスキルを活かし御社様に最大限貢献したいと思っております。因みにですが、私は(5)ワードにエクセルとあらゆる資格も持っており絶対的な自信がありますので是非とも宜しくお願い致します。
(1)私は現在41歳になる元派遣社員なのですが
年齢や現在の職業は履歴書を見れば分かることなので、志望動機文に自己紹介文は必要はありません。
(2)御社
「御社」は面接など口語で使用する言葉です。履歴書などの書類では「貴社」と書きます。
(3)御社様の企業理念、または経営理念はとても素晴らしく思い本心から働いてみたいと思いました
まず、企業理念や経営理念のどこに共感できたのか書かれていません。上記の事務職の志望動機文だとどこの企業でも使い回しができる内容で、応募先企業でなければならない動機が書かれていません。どれだけ「経営理念が素晴らしい」と書かれていても、根拠がありません。
企業理念や経営理念を志望動機にするときは、採用担当者を納得させるだけの内容を書く必要があります。
(4)事務員としての長く培ったスキルを活かし御社様に最大限貢献したい
応募先企業の事務職の業務で、どのスキルを活かして貢献していきたいのかを書かなければ、志望動機が伝わりません。そのためには応募先企業の仕事内容をよく調べる必要があります。
また、「御社様」の「様」は不要です。他にも「派遣企業様」や「他社様」も同様に「様」は不要です。
(5)ワードにエクセルとあらゆる資格も持っており絶対的な自信があります
「絶対的な自信」とは主観的な表現であるため、非常に曖昧な表現です。客観的な表現にすることで説得力を持たせることができます。例えば、「MOSエキスパートの資格を保有しているため、貴社の事務職におきまして即戦力で活躍できると考えております。」など、保有している資格など客観的事実を書くことで応募者がどのくらいスキルレベルがあるのかが分かります。
総評
上記の事務職の志望動機文を読むと、どこの応募先でも使い回しができる内容になってしまっています。「企業理念や経営理念が素晴らしい」、「事務員として培ったスキルを活かしたい」など具体的内容が書かれていません。応募先企業の経営理念のどこが素晴らしいのか、事務職で培ったスキルをどう活かしたいのかを志望動機として具体的に書く必要があります。