公務員の志望動機の書き方
公務員の面接カードで、志望動機が聞かれることがあります。しっかりとした志望動機を作りあげることは、同時に面接対策にもなりますので、誰かの真似やコピーではなく、自分の言葉で熱意のある志望動機を作り上げましょう。きっと採用に一歩近づくことになるはずです。
公務員に求められる人物像
客観的な立場に立って、公務員とはどういった人が働いているか考えてみましょう。つまりそれは、どういった人物を求めているかに繋がるからです。下記イメージを抜粋しましたので、見ていきましょう。
・まじめで常識がある。
・笑顔でコミュニケーションに長けている。
・紳士的で教養がある。
・基礎学力がバランスよく高い。
・人柄がいい。
などのイメージがあるのではないでしょうか。
立場が人をつくる
つまりは、上記のような人であれば採用される可能性が高いということです。ただこんな完璧な人間いないというところが、私も思うところです。こういう人にならなくてもいいのです。まずは演じればいいのです。まずは面接の時、次は研修の時、次は出社の時、と演じているうちに、そういう雰囲気をまとってきます。昔から「立場は人をつくる」と言います。責任感や環境から、そこに合った人へと人は変わっていきます。働いている内に「こんな完璧な人になれない」と思っていた人に、少なからず近づいているはずです。
書類は人を語る
下手でもしっかり気持ちを込めて書くことが、まずは重要なことです。面接カードなどは、未だ手書きの形式が多いのが実情です。字が上手い下手は短時間ではどうしようもないのですが、時間をかけてしっかり書かれたものと、さらーっと書かれたものでは、採用者に伝わるものは、確実に違います。
良い印象を植え付ける
文字の書き方、文章の内容、言葉の選び方、これだけでもかなり個性が出ます。違いが出るとういうことは、良し悪しがつけられるということです。そこからでも、あなたがどういう人なのか印象を受けます。逆に言えば、ここでも良い印象を植え付けることは可能ということです。上記での公務員の人物像を意識しながら、丁寧に時間をかけて書き、中身のある内容とし、言葉選びに注意をし、熱意を込めることが重要と考えます。
まずは自分を正直に見つめ直す
公務員でも民間企業でも同じですが「なぜ志望するに至ったのか」をまずは考えてみましょう。自分の今までを見つめ直し、どのような経験が自分に影響を及ぼし自己を形成してきたのかを考えていけば、「なぜ公務員として働きたいと思ったのか」に辿りつけるのではないでしょうか。
オリジナリティを出す
自分を深堀りした志望動機は、オリジナリティがあり、説得力のあるものとなります。多くの応募者が、志望動機は軽視していると言われています。参考書のコピーであったり、どこかで聞いたような言い回しであったりしていることが多いのが事実です。面接官にもよりますが、きれいにまとまった内容より、磨けば光る原石のような希少性のある内容のほうが、目に留まるはずです。ですので、志望動機や自己PRは、コピーや寄せ集めではなく、自分自身の言葉で作り上げることが重要です。
誇れるものでなくてよい
志望するきっかけとなったエピソードは、誇れるものでなくてもドラマチックなものでなくて構いません。些細な出来事でよいのです。重要なのは、その経験であなたが何を感じ、何に感動したかということです。それらのいくつもの経験があなたの人格を形成し、何をしたいかに繋がっていくのです。
また「経験からどういった感銘を受けたか」という事例から、採用担当者はあなたの性格を自然と分析します。私はいい性格ですとはストレートに言ったらそれこそ変ですが、エピソードから性格を植え付けることは出来ます。それらが前述した人物像にマッチするように構成が作れれば、評価は自然と良いものとなるでしょう。
また、あまりにエピソードが突飛だとよろしくありませんので注意が必要です。一例ですが
・いつも見慣れた風景を、あるきっかけで違う視点から見てみた時、それらは誰かの想いで作られたものだということに気付き、それに感銘を受けた」
・大学で上京したが、帰郷するたびに育った市の魅力に気付き、この市に尽くす仕事に就きたいと思った。
・いつも見慣れた風景を、あるきっかけで違う視点から見てみた時、それらは公務員の人たちの、市民への想いで作られたものだということに気付き、それに感銘を受けた。
など、自分の経験と志望動機を繋げることが重要です。
また、失敗談からなる志望動機も良いと思います。私自身の転職の経験上、面接では「失敗したことはありますか」ということはかなり高確率で聞かれます。面接官は、失敗談が聞きたいわけではなく、失敗から何を学び、どう対処したかを知りたいのです。ですので、そういったエピソードを志望動機として語ってしまうのも、一手段として効果的な方法です。
なぜ公務員という選択に至ったのか
あなたがどういった経験をきっかけに公務員を目指し、それが民間では叶わなかった理由についても考えておきましょう。面接カードの中にはボリュームが決まっているた、書き切れないかと思いますが、面接で質問される可能性が高いので、民間ではダメで、公務員でなくてはいけなかった理由についても考えておきましょう。
本音で言うと「安定した仕事だから」でも、本音はまったく構いません。しかし、そこはきっぱりと分けて考えることが重要です。採用試験は人生相談ではありません。採用試験は受かるための仕事と考え、これを成すためにはどういった手段(回答)が正しいのかを考えましょう。そうすれば、本音はNGであることに行き着くはずです。
その上で「なぜ公務員なのか」をしっかり答えられるようにしましょう。私の考えですが、民間企業は社会貢献も掲げていますが、やはり主の部分は利益(営利)を出すことを目的として企業活動を営んでいます。しかし公務員は利益を目的としておらず、「人のため、暮らしを良くするため」が仕事の目的となっています。そのあたりを「なぜ公務員でなくてはいけなかったのか」の理由とすると良いでしょう。
採用する側に立って考えてみよう
採用官もあくまでも仕事であるので、感覚ではなく、根拠ある理由を以って合否を決めなければなりません。逆に言えば「私は使える人材です」と根拠を示してあげられれば、採用官も判断しやすく、採用に繋がりやすくなります。それをどう伝えるかがポイントとなります。
筆記試験では学力や能力が見られます。面接ではコミュニケーション能力や咄嗟の判断力や人柄や品格などが見られるでしょう。それに対して志望動機や自己PRでは、教養や熱意を伝えられるものと考えています。特に熱意の部分に関しては「とても働きたい」というだけではなく、採用されるために行った努力を具体的に示すことが、熱意を伝えるポイントとなります。
「なぜここで働きたいのか」を熱意を以って伝えよう
熱意を示す具体的な方法は、志望している職種、環境について時間をかけ情報を集め研究したということを示すことがポイントです。魅力を感じた職場をしっかり調査分析をした結果、ここであれば自分のやりたいことが実現出来、自分の能力も活かせる職場であったと、ここを選択した理由を理論的に説明出来れば、採用官も納得させられるでしょう。
書類はじっくり作り込める
志望動機や自己PRなどの提出書類の良い点は、じっくり作り込めるということです。面接や試験は一発勝負ですので、失敗は取り返しがつきません。しかし提出書類は時間の許す限り直せますので、採用官の立場にたってみて「これなら納得」と思われるような志望動機の作り込みをすることが大切です。
志望動機は軽視しがち、逆にここで差を付けよう
多くの応募者が、面接や筆記試験に重点を置き、面接カードなどのいわば志望動機や自己PRは軽視しがちな傾向にあるようです。ありきたりな言い回しや、薄っぺらな内容になっていることが多いので、ここをしっかり作り込み、他のライバルに差を付けましょう。
志望動機をしっかり作ることは面接対策にもなる
自己分析をし、自分自身を振り返り、どうして自分はこの道を選んだのかという分析をすることは、志望動機だけでなく、面接にも役に立ちます。回答したことに対して「なぜそう思ったのですか?」と深堀りされる場合があります。その際に、しっかり自己分析を行ったバックグラウンドがあれば説得力のある回答が出来ますが、つくろった志望動機ですと、つつかれた時しどろもどろの、モヤッとした回答となり、そのようなハッキリしない回答は、誤魔化している印象を与えますので、マイナスでしかありません。大変でも「自分はなぜ公務員という職を志望するに至ったのか」をしっかり分析することは、必ずあなたの為になり、採用に一歩近づくことになりますので、しっかりと作り込みを行いましょう。