添え状のタイプ別例文(2/2)

添え状(「送付状」や「カバーレター」とも言います)の重要性は「添え状の基本的な書き方」で述べました。ここでは、社会人経験が浅い場合、派遣社員から正社員を希望する場合、アルバイトから正社員を希望する場合など、さまざまなケースに応じた添え状の書き方の例文(テンプレート)を紹介します。

 

 

社会人経験が浅い場合の添え状の例文

社会人経験が浅い場合の添え状(送付状)の例文を紹介します。経験は浅くても身に付けた経験・スキルはアピールすることができます。社会人経験者として丁寧できっちりとした添え状を作成しましょう。

 

20XX年X月X日

○○○○株式会社
総務部人事課
○○様
              〒XXX-XXXX
              東京都○○区・・・・
              氏名 ○○ ○○
              電話 03-XXXX-XXXX

 

○○職求人への応募の件

 

拝啓  時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

さて、○月○日付の求人雑誌「○○○」におきまして、貴社の求人を拝見し、○○職に応募させていただきます。

 

 前職では、2年間中古車販売の営業を経験してきました。お客様の車の査定、買取およびお客様のご要望にそって販売を行ってきました。
この経験を活かし、貴社での海外に向けた中古車販売業務のマーケティング部門で、新たな商品やサービス、マーケット展開、プロモーションを行っていきたいと思っております。
社会人としての経験は浅いですが、持ち前の交渉力、粘り強さ、フットワークの軽さで、貴社が大きく成長できるよう貢献できる存在になっていきたいと心から思っております。

 

つきましては、履歴書および職務経歴書を同封いたしましたので、ぜひ面接の機会を与えていただきますようお願い申し上げます。

敬具

 

社会人経験が少ない場合でも、上記の例文のように添え状で大いにアピールしましょう。実績が少なくても、社内での将来の活躍を期待させるような文面にすることで、採用担当者の気持ちをひきつけることができるでしょう。
社会人経験が少ない場合の添え状の詳細については「社会人経験が浅い場合の添え状の書き方と例文-詳細編」をご覧ください。

 

参考
社会人経験が短い場合の履歴書の書き方と記入例
勤務年数が短い場合の自己PRの書き方
社会人経験が短い職歴欄の書き方

 

派遣社員から正社員希望の添え状の例文

派遣社員から正社員を希望する場合の添え状の例文(テンプレート)を紹介します。即戦力をアピールする一方で、正社員を希望する理由組織の一員として問題なく働けることなども添え状に記述しましょう。

 

20XX年X月X日

○○○○株式会社
総務部人事課
○○様
                〒XXX-XXXX
                東京都○○区・・・・
                氏名 ○○ ○○
                電話 03-XXXX-XXXX

 

○○職への応募の件

 

拝啓  貴社ますますご盛業のこととお喜び申し上げます。

 

さて、○月○日発行の求人雑誌「転職マガジン」に掲載された貴社の求人を拝見し、○○職に応募させていただいた次第です。

 

 私は現在、広告会社で雑誌広告の進行管理業務を行っています。業務内容は、クライアントとの打ち合わせ、進行管理、社内外との調整業などです。実績は、社内でも高い評価を得ています。
ただし、派遣社員という職種の性質上、正社員と比べると職務内容が限られてしまいます。
発注業務、見積・請求業務などもっと職務内容の幅を広げて自分の能力を最大限に活用し、会社に貢献する存在になっていきたいと思っています。

 

つきましては、履歴書および職務経歴書を同封いたしました。ご検討していただき、ぜひ面接の機会を賜りますようお願い申し上げます。

敬具

 

派遣社員は特定の技術に特化して業務に携わる場合が多いので即戦力が期待される一方、「組織の一員として勤務していけるのか」、「雇用の安定だけを求めて正社員になろうとしていないか」などの不安を採用担当者は抱きがちです。まずは、採用担当者が最初に目を通す添え状(カバーレター)でその不安を払しょくする必要があります。添え状に以下の内容を盛り込みます。

  • 正社員になりたい理由は業務範囲を広げたいから
  • 通信教育やセミナー受講経験などのアピール
  • 新しい環境の適応力やコミュニケーション能力

 

派遣社員から正社員を希望する場合の添え状の詳細な書き方と例文については「派遣社員から正社員希望の添え状の書き方と例文-詳細編」をご参照ください。

 

参考
派遣社員から正社員への志望動機と例文
派遣社員から正社員を希望する場合の履歴書の書き方と記入例
派遣社員経験の職歴欄の書き方

 

アルバイトから正社員希望の添え状の例文

アルバイト経験しかないことは決して不利なことになるわけではありません。たとえアルバイトであっても仕事に対してどのように向き合ってきたのか応募先でどのように役立てることができるのかをきっちりと書くことで十分にアピールできます。
アルバイト先でのリーダー経験、仕事に対する責任感なども添え状に書き加えることでプラスの評価になります

 

20XX年X月X日

○○○○株式会社
総務部人事課
○○様
              〒XXX-XXXX
              東京都○○区・・・・
              氏名 ○○ ○○
              電話 03-XXXX-XXXX

 

○○職求人への応募の件

 

拝啓  時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 

○月○日付の求人雑誌「○○○」に掲載された求人広告を拝見し、○○職に応募させていただいた次第です。

 

私は、高校卒業後、レストランでの調理補助、テレフォンオペレーター、工場内での製造業務などを経験してきました。すべてアルバイトの経験ですが、自分がやりたい仕事を見つけるために、さまざまな仕事を経験してきました。直近の工場内での製造業務では3年間勤務しました。その間は無遅刻無欠勤で、リーダーとして在庫管理や発注までも担当しました。
この経験を活かして生産管理部門で、資材の発注、工場内の生産工程管理、売り上げおよび原価の管理を行っていきたいと思っております。

 

同封の履歴書および職務経歴書をご高覧いただき、ぜひ面接の機会を与えていただきますようお願い申し上げます。

敬具

 

フリーターから正社員を希望する場合の添え状の書き方の詳細については「アルバイトから正社員希望の添え状の書き方と例文-詳細編」を参照してください。

 

参考
フリーターから正社員の履歴書の書き方と記入例
アルバイトの経験しかない場合の自己PRの書き方

 

 

専業主婦から正社員希望の添え状の例文

専業主婦から正社員を希望する場合、採用する側が懸念することは、ブランク期間(離職期間)とフルタイムで働くことができるのかどうかという点です。ブランク期間(離職期間)が長ければ長いほど不利になりますが、その間再就職に向けて自主的に取り組んでいたことを添え状でアピールするだけでも印象は変わってきます。また、子供がまだ小さい場合でも業務に支障をきたさないことを伝える必要があります。

 

20XX年X月X日

○○○○株式会社
総務部人事課
○○様
              〒XXX-XXXX
              東京都○○区・・・・
              氏名 ○○ ○○
              電話 03-XXXX-XXXX

 

○○職への応募の件

 

拝啓  貴社ますますご盛業のこととお喜び申し上げます。

 

さて、このたびは転職サイト「○○ジョブ」に掲載された貴社の求人を拝見し、○○職に応募させていただいた次第です。

 

 私は前職を退職してから6年経過しています。その期間は専業主婦でしたが、家事と育児のかたわら、再就職に向けて自主的に勉強を行っていました。その結果、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)のスペシャリスト、色彩検定2級を取得いたしました。

 

現在は5歳になる子供がいますが、通っている保育園には延長保育があるため、多少の残業が発生しても対応できます。また、実家が近くにありますので、子供が病気になったときも親に協力してもらうことができます。

 

子育ての経験を活かし、かつ主婦ならではの視点から貴社での○○○の業務に取り組んでいきたいと思っています。

 

つきましては、履歴書および職務経歴書を同封させていただきます。どうぞご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

敬具

 

上記の添え状の例文では資格取得をアピールしていますが、資格取得がない場合でも、保育園や幼稚園などで何かの役割を担当し、その中で応募する仕事に関係することや役立てることがあればそれらをアピールすることもできます。どんなに小さなことでも、添え状で積極的にアピールすることで就職への情熱を伝えることができます

 

参考
ブランクがある場合の履歴書の書き方と記入例
失業期間(ブランク)が長い場合の自己PRの書き方

 

同業種に転職する場合の添え状の例文

同じ業種・職種に転職する場合は、ステップアップの転職であることを添え状に書く必要があります。採用担当者は、どうしてわざわざ同業種に転職するのか、という疑問を持ちます。応募先の企業にしかできないことを転職の志望動機として伝えます。同業種の転職ならば即戦力が求められます。自己PRとして過去の実績を具体的に添え状に書きましょう。

 

20XX年X月X日

○○○○株式会社
総務部人事課
○○様
              〒XXX-XXXX
              東京都○○区・・・・
              氏名 ○○ ○○
              電話 03-XXXX-XXXX

 

○○職への応募の件

 

拝啓  貴社ますますご盛業のこととお喜び申し上げます。

 

さて、このたび転職サイト「○○ワーク」に掲載された貴社の求人を拝見し、○○職に応募させていただきました。

 

 前職では社内広報の編集、ライティングを行っていましたが、企画、ライティング、編集、デザインはそれぞれ専任スタッフが担当する分業制でした。5年間勤務いたしましたが、さらなるスキルアップを実現するために転職を決意いたしました。
企画、取材、ライティング、デザインすべての工程を1人で担当する貴社の業務を行い、自分のスキルの幅を広げたと思っています。

 

つきましては、履歴書および職務経歴書を同封させていただきます。どうぞご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

敬具

 

同業種からの転職の場合は、上記の添え状の例文のようにステップアップを強調します。また、採用担当者は、ある程度のスキルをすでに持っているものだと期待しますが、実績を強調するあまり自慢話にならないよう気を付けるべきです。アピールしつつも謙虚になることが大切です。

 

参考
同業種の転職の志望動機と例文

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